EDITION16「パリが愛するグレー」

EDITION16「パリが愛するグレー」

パリの屋根がグレーで統一されていることを知っていますか?

街を見下ろすと気づくんですが、屋根の色がうっすら青みがかったグレーに染まってる。実はこれ、ライトグレーの亜鉛とダークグレーのスレート(粘板岩)という、2種類の素材の組み合わせなんだそう。ちょっとした色の差が、パリの空気に奥行きを与えています。

マドレーヌ寺院やオペラ・ガルニエの屋根だけは、ほんのりグリーンがかった色をしていて、これは銅製。長い年月をかけて酸化して、あの独特の色合いになったんだとか。時間が生んだ色、ちょっとロマンチックですよね。

 

 

今でこそ“美しい街並み”で有名なパリですが、19世紀半ばまではとてもじゃないけどそうとは言えない状態。家畜は街をうろつき、汚水はセーヌ川に流しっぱなし。道は狭くて臭いもひどい。この事態を重く見たナポレオン3世が都市改造に乗り出し、当時のセーヌ県知事だったオスマン男爵に改革を任せます。この大規模なプロジェクトによって、パリは一気にモダンな街に変わっていきます。今「オスマン建築」と呼ばれているあの独特な街並みは、彼の名前から来ています。


 

オスマン男爵は景観にかなりのこだわりを持っていて、「グレーに反射する光の美しさ」に惚れ込んで、多くの屋根材に亜鉛を選んだと言われています。

こうしてパリの屋根は“街のアイコン”になっていきます。200年以上にわたって市民が景観を守り、屋根職人たちが腕を磨き続けてきたことが、今では無形文化遺産の候補になっている理由です。


 

前置きが長くなりましたが、EDITION16でリリースするTシャツとキャップ。ONLINE BOUTIQUEではお馴染みとなった定番アイテムですが、その洗いざらしのグレーの色は、どこか穏やかでやさしいイメージです。着られ、洗われ、陽射しを浴びて、少しづつ育っていく。何度も袖を通したあとに宿る風合いには、代えがたい魅力があります。

そう、まるでパリの屋根のように。

 

BOUTIQUE TEE GARMENT DYE CHARCOAL ¥8,800
BOUTIQUE CAP '47 CHARCOAL ¥7,700

 

EDITION16の発売は7/3(木)18:00より。

どんな季節にも、どんな天気にも美しく映えるグレーですが、やはりいちばん似合うのは夏の陽射しと溶け合ったときじゃないでしょうか。

太陽の残像、夏の匂い。Summer Never Ends.